サンタ・クルズは2012年に発売されたマルセル=アンドレ・カサソラ・メルクル作のボードゲームです。ドイツのyucata.deというオンラインボードゲームサイトでこの度新しくエントリーされました。無料でプレイできますのでご紹介します。
画像はBBGから
プレーヤーはサンタ・クルズ島の入植者として島を開拓し家や教会、灯台を建設して勝利点を稼いでいきます。
まずは自分のコマの色を選びます。今回は緑を選択。
ゲーム開始すると7枚で構成されるデッキが4セット画面に映し出されます。既に赤プレーヤーが左のデッキを選択しているので残りの3デッキから選ぶことになります。画面下にランダムで配られた4枚のカードが決算カードです。達成するとボーナス点が入る小目的カードですので、この辺を当面の開拓方針としてデッキを選びましょう。
デッキには基本的には”道”、”川”、”海”の3種類あり、”道”カードが多く入っている「道重視型」や、それぞれが万遍なく入ってる「バランス型」などがあります。
決算カードの詳細は後で説明するとして今回は”道”重視のデッキを選びました。
メインのマップ画面です。島には多くの拠点がありそれぞれの拠点が道や川、海で繋がっています。拠点には大きく分けて3種類あり、通常の拠点(黄色い四角のタイル)、火山(赤い六角のタイル)、港(青い楕円のタイル)があります。
港のタイルは最初からオープンになっていますが、島の内陸にある通常の拠点、火山の拠点は伏せられています。こちらは開拓が進むに連れてオープンします。
タイルには【家】【教会】【灯台】の絵が描かれていて絵に対応した建物を建てることで拠点を自分のものとしていくのです。
ゲーム開始時、最初の拠点だけは港の中から好きな場所1つを選んで無料で建設することができます。まずは島の左に位置する灯台を建設してみました。
拠点にマウスカーソルを重ねるとタイルが拡大表示されます。灯台の絵が描かれているのでここには灯台しか建設することができません。数字は得点です。ここに自分の灯台を建設したことで4点を獲得したことになります。このように拠点に該当する建物を建設することで得点を得るのが1つ目の得点入手方法になります。
この時、自分の拠点に隣接した拠点のタイルに円形の矢印が表示されています。これは”次にここがオープンになりますよ”と知らせてくれるアイコンで、”Finish your turn”でアクションを確定させると、このタイルがオープンとなります。建設済みの拠点に道や川で繋がっている隣接拠点はタイルがオープンになるのです。
今回は得点4の教会がオープンになりました。
さてここから通常のラウンドが始まっていくわけですが、その前にプレーヤー情報画面を見てみましょう。
手札:川、道、海、連続の手札の枚数。建物建設の基本となるカード
決算:決算カード。カードの条件にあった得点を得ることができます
鳥チップ:入手した鳥チップの数
教会、家、灯台:建物コマのストック
既に灯台を1つ建設しているので残り1つとなっています。
では、開拓の基本的なやり方を見ていきましょう。まず最初に設定した自分の開始拠点(港の灯台)から広げていくことになります。カードを出すことで拠点に建物を建設していきます。
●道カード
道で繋がっている隣接した拠点に建物を建設することが可能です。もちろん隣接先のタイルに描かれている建物シンボルと同一のコマをストックにもっていなければなりません。先のターンでオープンした”教会”のタイルに建設することが可能です。
●川カード
川のカードを出すことで川で繋がっている先の拠点を開拓できます。川は道と違い、川で繋がっていれば距離は関係ありません。
●海カード
海のカードを出すことで海岸線の港拠点に建物を建てることができます。海は港のどこへでも繋がっているので道のように隣接していなくても構わないのです。
●連続カード
連続のカードは所謂ワイルドカードです。道、川、海のどのカードの代わりにもなり、更にそれを2回連続してアクションを行うことが可能なお得なカードです。
連続カードを使用した時は上のような画面がでますので、使用目的に合わせて選択しましょう。
●ゲームプレイ
今回は道沿いで開拓していきましょう。まずは手札より道カードを選択して場にだします。
先ほどの灯台から道で繋がった隣接拠点に”教会”を建設してみましょう。
このように隣接している教会に建物を建設しました。タイルに書いてある通り4点獲得します。これが1つめの得点方法です。
さて今回は”道”重視のデッキを選び、道沿いの拠点を建設したのには理由があります。最初に手札として配られた決算カードです。
得点は拠点に建物を建設することで得られる得点に加えて、決算カードをプレイすることで、カードの条件にあったプレーヤーがボーナスの得点を得ることができます。今回の私の手札の決算カードはこのようになっています。
1【海岸】:海岸沿いに建設された建物1つに付き3点
2【街道】:拠点が道で4つ連なると7点
3【金塊】:金塊が産出される拠点に建設すると10点
4【鳥チップ】:鳥チップがある拠点に建物1つに付き2点
これらのカードは自分の手番の際に1枚プレイすることで、この条件に合致する状態を持っているプレーヤーは得点を得ます。道沿いの拠点を開拓した理由は、【街道】のカードを持っていたので積極的に道沿いの拠点を取ることでボーナスを得ようとしたからです。
この拠点を建設したことで更に道で繋がっている2つの拠点タイルがオープンになりました。その内の1つには”金塊”の絵が描かれています。実は金塊の決算カードも持っているので、これもボーナス得点として計算できます。【金塊】の決算カードを持っている場合、この拠点を押さえておけば10点手に入るのです。
しばらくターンが進み、以下のように4つの建物を建てました。道沿いに4つの建物が並び、更に金塊を産出する拠点も建設しています。
しかし条件が揃っただけでは得点は入りません。自分の手番に決算カードをプレイして始めてボーナス得点が入ります。
つまり手番を1つ使ってしまうので、決算したターンは拠点の建設ができません。決算している間に相手に重要な拠点を先取りされたりしてしまうなどの戦略やジレンマがここで発生します。
更に金塊の決算カードをプレイしてみました。10点入手してラッキー!と思うかもしれませんが、よく見てください。
自分だけでなく相手にも10点入っていますね。これはせっかくの高得点も意味がありません。
実は決算カードはカードを出したプレーヤーだけが恩恵を受けるのではなく、全プレーヤーに適応されます。なので、今回は相手プレーヤーも金塊を産出する拠点を建設していたので同じように10点獲得してしまったわけです。
この事から、まだ相手が目的の拠点に建物を建てていないうちに、このカードをプレイすれば、自分だけ得点を多く得られるということが分かります。
拠点の開拓具合を見ながら、決算カードを出すタイミングを見極めるのがこのゲームのキモなのです。
ここまででお気づきかと思いますが、決算カードは大事な2番目の得点源です。最初に配られた決算カードが何なのかによって拠点開拓の方針がある程度決まると言ってよいでしょう。
以下、これを繰り返し、拠点を開拓していきます。手札を使いきったら前半ラウンドが終了です。
前半終了の図。59点対57点で2ポイント差で負けています。
その後、一旦ボード上の建物コマを全部取り除き、新たなカードデッキの選択をします。
前半と同様に今度は後半が開始されます。前半同様にプレイしますが、今度はボード上の拠点タイルが全て表向きになっているので、前半よりも戦略性や相手との駆け引きが増す展開になるでしょう。
では決算カードの内容を紹介します。
●資源
産出資源を持っていると得点。
羊7点。木材6点。砂糖7点。金6点。金10点。
魚5点+ボーナス。
魚は拠点建設の5点に加えて、タイルに記述してある「+○」を追加で獲得します。
羊+魚(7/3)。木材+砂糖(7/3)。
2つの資材が揃っている場合7点。どちらか1つだと3点。
●場所
海岸、川、該当する拠点にある建物1つに付き得点。
火山はプラス、噴火はマイナス点になる。噴火は更に建設された建物が壊れる(ボードから取り除かれる)マイナス効果がある。
●鳥チップ
入手した鳥チップ1枚につき2点。
鳥チップ付きの拠点に建設をするとランダムに鳥チップを引くことができます。鳥チップの決算カードで枚数に応じた得点を得ることができるだけでなく、チップに書いてある数値の合計値がゲーム終了時ボーナスとなります。
●建設
建物4つ建設毎に6点。
家、教会、灯台の組み合わせ1セット毎に6点。
繋がっている4つの建物につき7点。
●ゲーム終了時の得点
ゲーム終了時に、今までの得点に加えて、鳥チップ上の数字の合計を加算します。鳥チップは、鳥マーク付きの拠点を開拓したときにランダムに入手します。数字もランダムです。
以上がゲームの流れです。手札の決算カードを見ながら開拓の指針を決め、建物建設の得点と決算カードのボーナス得点でより多くの勝利点を稼ぐことが目的です。
※忘れがちポイント!
基本的に拠点への建物建設は早い者勝ちですが、そのラウンドの最終手番の人は、既に建物が建設されている拠点へも建設することが可能です。手番順の有利の現象を緩和する措置ですが、結構忘れがちなのでお気をつけて
ちなみにこのゲームはBSWで遊ぶことが出来ます。yucata.deはターンベースのプレイ。BSWはリアルタイムのプレイとなりますので遊ぶスタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。