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2006年8月28日 (月)

探偵ガリレオ

「探偵ガリレオ」東野圭吾☆☆☆

いかにも東野圭吾的な着想で、一風変わった推理小説。
物理的なギミックを駆使してトリックを楽しむ推理小説は昔から多くの読者に好まれてきているが、この本の殺人トリックは本当に物理”学”的。レーザーや超音波などのハイテクな原理を駆使して殺人が起こる。これを物理学者湯川が謎を解くという具合。
どの話も少々物足りなく、トリックのギミックも(少なくとも一般人には)身近なものではないために、謎がとかれてもふ~んとしか思えないところがちょっと寂しい。しかし一方では「ためになる」という意味でふ~んとしてしまうところもあり。ちょっと読めばなんとも無い感じで通り過ぎてしまいがちなこの作品だがきっと作中の技術的な現象は相当取材して書いたのであろう事がうかがえる。

この辺の技術取材の積み重ねで物語をつづる手法は後の「天空の蜂」で身を結んだのではないだろうか。

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2006年8月21日 (月)

時かけ&ユナイテッド

「時をかける少女」☆☆☆☆

Yahooレビューなどネットでの評価が以上に高く、都内ではほぼ単館上映という状況も相まって連日満員のこの映画。非常に気になる存在なので見に行ってきました。金曜平日の16:40分上映の1時間前に行くと整理券番号103番。流石に座ることは出来たが、最終的にはほぼ満員。隣に年配の派手なおばちゃん(林家パー子のノリ)が座ってきて少しビビル。

結論から言うと事前情報で期待が大きくなりすぎた分、ちょっと物足りなさも感じた。劇中、男2人女1人が思いっきり青春恋愛しているのですが、そこにも完全に乗り切れなかったからか。しかし客観的に観れば非常によく出来ている映画。大林版「時かけ」とはタイムリープの扱い方が違っていて、それがこの映画に新しさを吹き込んでいる。

ただ、「運命の分岐点まで戻ってやり直ししようとするが、むしろ未来はどんどん悪い方向に行ってしまい悪戦苦闘する主人公」と「最後は切ない恋人との別れ」というモチーフは「バタフライイフェクト」で既に体感していた自分がいたので、全く新しいインパクトに触れられなかったのも事実。それが☆ひとつ足りない理由。

この映画の監督もあの映画はちょっと意識はしているとは思う。


「ユナイテッド93」☆☆☆☆

110分間、終始緊張しっぱなしの映画。やはり「事実」は重みが違う。擬似ドキュメンタリー的な手法をとっており音楽やカメラワークなどのドラマ的な演出は抑え目。唯一演出らしい演出があるのが2機目の航空機がWTCへ激突するシーン。この映画でもそうだが、リアルな2001年の時も、あの瞬間までは民間小型機の衝突など、誤情報が錯綜する中、事故だという認識が多くを占めていた。しかしあの2機目の瞬間誰もが「とんでも無い事が起こっている(戦争)!」とはっきりと認識し、全身総毛だった筈。映画もそれをうまく演出していた。

実際には機内の様子は断片的な情報でしか分からないわけで、そう言った意味では劇中の話はほとんどがフィクションである。知らない人が見たらこれは事実の映画化だとも解釈
しかねない部分もあるので、その部分で若干この映画の姿勢的に疑問はある。それが☆ひとつ足りない理由。

しかし一昔前ならばこの手の事実の映画化は遺族の感情などを考えてもう少し時間を置いてされたはず。同時期にWTCも映画化されていることから、悲劇の史実の映画化のサイクルが早まっていると感じる。これもハリウッドがネタ切れと言われている現象のひとつであろうか?


「探偵ガリレオ」読書中   

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