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2005年10月26日 (水)

バーストゾーン

バーストゾーン読了

物語のテイストが前半部分と後半部分でがらりと変わってしまうような作品をたまに見かけることがあります。
近未来の日本(のように見えるがどこにも具体的な言及は無い)はテロがはびこる荒んだ世の中。テロの脅威に怯える人々。(人々は敵をテロリンと呼ぶ)テロに対抗すべく愛国心を煽り、軍隊を組織する国家。そして大陸で密かに進行している国家プロジェクト「神充」とは何か?

ひたすら描かれるバイオレンスとグロの世界。物語序盤はバトルロワイヤル2的な世界が繰り広げられるのでは?と思わせます。しかし主人公がテロの本拠地「大陸」に渡った辺りから様相が変わります。テイストが変わるというよりは小説のジャンル自体が変わったと言ってもいいかもしれません。個人的にはこのような構成は好きなのですが、お話自体はもう少し深みが欲しかったと思います。決してつまらなくは無かったけど、ちと長すぎました。


「女王様と私」(歌野晶午)
読書開始。序盤はまずます。先が気になります。

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2005年10月24日 (月)

レイクサイド&eiko

【本】バーストゾーン

面白いのだが文章の読み辛さで今回は苦戦中。
あと30ページ。



【DVD】レイクサイドマーダーケース

好きな作家である東野原作作品(未読)。
冒頭、スタイリッシュな映像演出から始まるので、コテコテの本格ミステリー演出を期待したい自分としてはちょっと肩透かしを食う。「g@me」がやっぱり同様な演出でもう一つだったのでいやな予感が漂う。ミステリーは変におしゃれに走るよりはサスペンスフルなハラハラ、ドキドキの演出を期待したいところ。まぁ、ヒッチコック世代ですから。

しかし実はそんな懸念は冒頭だけ。しばらくすれば実はちゃんとしたミステリー演出で安心。しかも役者が実力者ぞろいなので凄く安心してドラマが見れる。(杉田かおる&鶴見慎吾の夫婦役は狙ったのか?)

お話は中学のお受験を控えた3家族が豊川悦司を講師に迎え別荘にお受験合宿に来る。その中の1家族が役所&薬師丸の夫婦なのだが役所の愛人がその合宿に押しかけて来たところから歯車が狂い始める。そして別荘で起こる殺人……という具合。
先ほども言ったように役者の演技が圧倒的で、何でも無いシーンでも全然飽きない。愛人役は眞野裕子なのですが、他のベテランに負けず劣らず(文字通り)身体をはった 演技と画面に出ているだけで存在感のある美貌で非常に良いのです。

前半は、合宿最中に押しかけた愛人と役所のうろたえた対応。薬師丸の何か勘付いてそうな意味ありげな視線。しかも愛人は役所と夜ホテルで落ち合うことを強引に約束させ、役所も仕事の用事が出来たとウソを言って出かけてしまいます。この優柔不断さの役所に男の私は感情移入しまくり。もしバレたら……と観客をひやひやさせます。

結局は愛人には会わずに別荘に帰ってくるわけですが、ここで出迎えた他の家族達の視線が何か異様な雰囲気を漂わせているのです。……何かよからぬ事が起こったような緊張感(ここの演出は秀逸!)。ここからストーリーは意外な方向へ転換していきます。

前半は主人公の個人的で小規模な罪悪感にハラハラし観客の注意を逸らさせ、中盤に大きな事件で急展開する……。これは明らかにヒッチコックの「サイコ」的な構成を意識していますね。この後いろいろあるわけですが、自分的には傑作とまでは行かないまで、もなかなか佳作な作品でした。東野圭吾の独特の「動機にこだわる」というテーマがよく出ていた作品であります。

鑑賞後奥さんと、「家族を守るには」というテーマでちょっとした議論にもなりました。子供を持つ親としては身に迫るテーマですしね。


【映画】eiko

ストーリー自体はダメでしたね。でも麻生久美子ファンにとってはこれ以上のプロモーションビデオは無いのではないでしょうか?
自分もファンなので最後まで見ることができましたが、そうじゃなかったら辛いかも。ただ話しの展開上仕方ないのですが衣装が最初から最後までほぼ一着だったのがもったいない。もうちょっといろんな着せ替えを楽しみたいところ。

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2005年10月 8日 (土)

ランド・オブ・ザ・デッド つづき

ゾンビの続き

で、結局はリメイクドーンもランドも既存のゾンビルールの呪縛から解き放たれる選択をしたわけです。しかしそのアプローチは全く異なります。リメイクドーンの場合は「走るゾンビ」というところが大きな特徴です。走ることによってゾンビ映画のいわゆる「ノロノロ、じわ~~」って言う怖さの価値観をぶち壊し、ひたすらスピーディなモンスター映画に変容させる事に成功しています。最初の10分間のシーケンスで「このゾンビ映画はこんなノリだ!」って言う宣言とも取れる怒涛のノリで非常に好感がもてます。

しかしやっぱり冷静に見るとあくまでもロメロ「ゾンビ映画」の確固たる存在を肯定した上で、ここをこうすれば面白くなるというアプローチである事に間違いありません。まぁ、観客である僕等もよく映画を見た後に仲間とだべるじゃないですか。「あそこをこうしたらもっと面白くなったのに」っと。
まったく0から作り上げるクリエーターの苦労と、既に目の前にある作品について「こうすればもっと良くなる」という思考とは、物作りのパワーとしては全く違うものがあります。しかし、ある意味観客の求めていたものを実現化するつくり方でもあるので観る者にとっては非常に面白いものになる可能性も大いにあります。そう言った意味でリメイクドーンは後者のスタンスに近いのかなと思います。もっと言えば「ゾンビ」以降のゾンビ映画は全てがこのスタンスだと言っても過言では無いかもしれません。

やっぱりランドは違いました。

本家ロメロは作り方のスタンスから違います。もう冒頭のシーンから独自のゾンビクリエイトなオーラがびしばし伝わってきます。ゾンビルールとしての新しいルール作りのクリエイト魂が感じられ威風堂々たるものがあります。

純粋に2時間の暇つぶしとしてどっちが楽しいか?と問われたら僕は「リメイクドーン」と多分答えます。しかし、クリエイト魂に触れたときのわくわくするような楽しさ、うれしさは「ランド」のほうにあると思います。



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次の書籍を購入。
「バースト・ゾーン」吉村萬壱

   

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2005年10月 7日 (金)

容疑者Xの献身

「ハリウッドはネタが無い」と最近よく耳にします。

確かにリメイクだとか続編だとかが目立ちます。
今の製作者達は大変です。映画が誕生して間もない頃は全てが新鮮でネタになりました。ただ単に汽車が走っているところを撮影しただけで、映画館の観客はそのリアリティにびっくりしたと聞きます。ところが映画も誕生してから100年以上もたつと、どんなにCGで驚愕な映像をつくろうと誰も驚いてくれません。それこそ誰もがやってないネタなぞ、そう簡単に見つかるわけがないのです。


「容疑者Xの献身」(東野圭吾)読了。


某掲示板ですこぶる評判が良かったので文庫本化を待てずに購入。一気に読破してしまいました。ミステリーと言えば奇抜なトリックが花形なわけでして、あっと言わせるトリックはやっぱり読者としてミステリに期待する大きな比重を占めているわけです。

しかしここでさっきの映画の話を思い出してください。ミステリのトリックこそ古今東西、小説はもとより映画やゲーム、演劇などさまざまなメディアで創作されてきました。もう新しいネタなど残っているのでしょうか?

なので現代の作家さんは大変なわけです。先人達が残してきたトリックの数々を避けつつ、しかし読者をビックリさせるネタを提供しなくてはならない。読者は奇抜なトリックに飢えている。俺をビックリさせてくれと。現代のミステリ作家はそんなプレッシャーを受けつつ非常に高いハードルを要求されている。

かわいそうである。

人間そんなにぽんぽん新しいアイディアが出てくるわけがない。しかも困ったことに読者にも学習能力がある。あるトリックに驚いても免疫がついてきて、次は騙されまいぞと身構えてくるからちょっとやそっとのトリックでは見破られてしまうのである。
でも、だからこそ本当に奇抜なトリックに出会った時はミステリファンとしては至福の喜びを味わう事ができるのである。「占星術殺人事件」(島田荘司)はそんなトリックに飢えたミステリファンに、ビックリを与えたエポックメイキングな作品だったのではないだろうか?

「だろうか?」と書いたのは僕がそれをリアルタイムで読んでなく、しかも不幸なことに某漫画を先に読んでしまった後だったのでそう書いた。掲示板などで他の人の話を聞いていると、きっとそうだったんだろうなぁという意味での「だろうか?」である。確かに僕はそう言った意味で「ビックリ度」は薄まってしまったわけですがそれでも充分面白い作品でした。

「容疑者X」

僕はそんなに多くの過去作品を呼んでいるわけでは無いので、今まで類似のトリックがあったのかどうかはわかりませんが、これにはやられました。「占星術」ほど派手な仕掛けでは無いので、後世に残るエポックなものになるかは微妙ですが、非常によく出来たトリックです。こんなに多作な東野圭吾でも、いきなりこうゆうのがボコッと出てきてしまうところがスゴイです。

ちなみにこの作品、トリックだけがメインではないです。それ以外の部分も本当に完璧です。ぜひ。

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2005年10月 5日 (水)

ゾンビ映画今昔 ランド・オブ・ザ・デッド

本の方は東野圭吾の「容疑者Xの献身」を読み始める。実況、感想は後日。

映画のほうは基本的にSFホラー系が好きです。最近鑑賞したのは「ランド・オブ・ザ・デッド」でしょうか。これは言わずと知れたロメロ監督のゾンビシリーズ第4作。ここ数年、一時期の低迷期が嘘のようにまともなゾンビ映画が作られ続けています。しかもバイオハザードや28日後、ドーンリメイクなどなかなか佳作な作品群がそろっています。そんな中、やっと真打登場です。

ロメロ「ゾンビ」の功績は、この1作でデファクトスタンダードになってしまった事。以後のゾンビ作品はすべてこのロメロがクリエイトしたゾンビのルールやフォーマットに沿って作られています。よく言えばフォロワーなのですが、悪く言えば新鮮味が無いといえます。しかしそんな中、ここ数年ファンの間で論議を巻き起こしていた事があります。それは何か?

みなさんゾンビと言えばどんな見た目を思い浮かべますか?そう、両手を前にだらぁ~と突き出し、ノロノロゆっくりと歩く姿ですよね?しかし「28日後」や「ドーンリメイク」では走るゾンビが登場してしまったのです。これは今までのロメロルールから外れた……ファンからしてみれば冒涜に近い行為でありました。曰く「走るゾンビなどゾンビでは無い。ただのモンスターだ!」

正確に言えば1985年の「バタリアン」でも既にゾンビは全力疾走(!)していたわけですが、これはロメロルールをパロディにしたネタであり、むしろ逆説的にロメロルールをリスペクトしている証でもありました(頭を破壊すると死ぬというのもロメロルールですが、バタリアンではそのネタもパロっていた)。

じゃあ走るゾンビなど受け入れられる訳無いだろと思ったのですが、実はこれ、時代のせいか案外受け入れられてしまったのです。そこでファンやにわかファン、ロメロの熱狂的なファン(ネットでは信者と呼ばれる)が2分して白熱した議論が繰り返されたのです。

そんな情勢の中、やっと真打ロメロの作品が完成したのだから盛り上がらないわけがありません。(前作「死霊のえじき」からなんと20年ぶりの続編です)

つづく

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2005年10月 4日 (火)

姑獲鳥の夏 読了

最後の怒涛の解決編はミステリーとしては多少アレな気がしますが(読者に解決させるにはあまりにも情報が足りなすぎる)しかしそんなことも気にさせないくらい非常に面白かったです。

読む前は(映画の予告編の雰囲気も相まって)ミステリーというよりホラーな系統だとすっかり思っていたわけですが、蓋を開けてみるとオカルトの皮をかぶった超論理ミステリーと真逆の性格を呈していたのは大変面白かったです。

とりあえずシリーズの続きをいずれ読むでしょう。

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2005年10月 2日 (日)

引き続き 姑獲鳥の夏

まだまだ引き続き姑獲鳥の夏。

読書の時間が往復1時間強の通勤時間にしか割いてないため読み進めるのがそんなに早くない。僕の場合平均すると標準的な文庫本(2~300ページ)だと週に1~2冊がペース。つまり1日7~80ページ。通勤時間がやっぱり8~90分だからだいたい1分1ページのペース。

しかしこのペースも文が読みやすいのが前提。読みやすいとは現代の、しかも口語文的なものが読みやすい傾向にあるらしい。逆に漢文的、古文的なのは時間がかかる。あと下手な翻訳物も。作家で言うと東野圭吾がやっぱりダントツ読みやすい。一方、小野不由美の「東亰異聞」なんかは結構読みずらかった。(作家がダメというわけではなく文体が。屍鬼なんかは平気)

で、京極夏彦はどうだったかというと……

これが結構読みやすい。いや、京極堂のウンチクが始まると結構難しい単語や文が出てくるのだが、分かりやすい説明と説得力でぐいぐい読ませる。霊現象を信じる思考と量子力学をからめた話など非常に面白いというか。この作品(というか京極堂)の魅力は呪術や陰陽道などを単なるオカルトとしてではなく、科学と論理で納得できるような(風)で処理しているのが魅力。

昔からオカルト系のミステリーをどのオチに持っていくかは古今東西のクリエーターを散々悩ませてきたネタではあろうと思う。つまりオカルト色を帯びた事件の謎(死者が蘇ったり、呪いが存在したり)で散々読者の興味を引っ張っていき、最後、本当にオカルトネタで落とすのか(幽霊が出てきたり、魔術が存在したり)、実はちゃんと科学で説明できる誰かのトリックで落とすのか。

映画で言うとM.ナイト・シャマラン映画でその両方が見れる。
「サイン」と「ヴィレッジ」。どっちの作品がどっちのオチを使っているのかはネタバレになるので言わないが、僕の好みは「ヴィレッジ」の方に軍配が上がる。「サイン」であっちのオチを使って不評だったので、「ヴィレッジ」でシャマランは反対のオチでリベンジしたと僕は思っている。

話はそれましたが「姑獲鳥」はまだ終盤のクライマックスを読み終えた所。「衝立のむこうで起こったこと」の場面ですね。残りページを見ると、もうひと波乱起きそうですが、とりあえずここまでは大満足です。

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